九州の山々を巡る(3) 祖母山

3日目 4/30(金)



2つ目の山は祖母山である。ここはどう登っても7時間はかかってしまう。ただのピストンではつまらないので、少しコースタイムが長くなってしまうが宮原コースから登って黒金山尾根を下りるルートで行く。登山口はほしこがinnから少し下りたところの看板から入る。そのまま川の上流へさかのぼっていくと吊り橋があり、それを渡れば宮原コース、渡らずに直進すれば黒金山尾根コースである。吊り橋を渡ってしばらくは、結構な急登で、しかもあちこちに踏み跡があるので結構キョロキョロしながら登る必要がある。しかし、標高100mごとに標識が立てられており、目安にしながら登れるのはよい。



稜線へ出ると祖母山が望める。鋸山の方まで見えるが、そちらは昨日の久住山のように一面霧氷ができているようだった。9合目小屋までたどり着く間は、一部稜線が細くなってちょっとスリリングなところもあった。小屋は水場も目の前で居心地が良さそうな立地だった。中を覗いてみようとドアに手をかけると、ユーロビートか何かのようなリズム感の曲が大音量で聞こえる。こんなところで一体何だ?と思ってドアを開けるのをためらっていたら、T氏がおもむろにドアを開けた。開いたドアからはさらに大音量の音楽がズンチャカ流れ出し、唖然としているとジーパン履いたおじさん登場。T氏に「身長何センチ? ほーっ、高いねー」などと聞いて一人で相槌を打つというなんだか不思議な管理人さんであった。もちろん管理人さんの個人的趣味は尊重するべきだと思うが、山小屋で大音量で音楽を流すのはどうかと思うなあ。



小屋の前の「山頂まで10分~25分」というやけに時間に幅を持たせた表記の標識を見ながら山頂へ。ちなみに、黒金山尾根経由で尾平まで3~6時間、という標識もあり、確かに人によって幅があるのはわかるが、「こういう人なら何時間」という書き方の方がいいんじゃないかとも思った。なんか注文ばかりですみません。



前日に続いて素晴らしい天気だったのだが、気温が若干高いせいか周りの山々はぼやけてしまい、山頂からはそれほど遠くまでは見渡せなかった。ぽかぽかして気持ちのいい山頂で昼食をとり、黒金尾根方面へ下山。山頂直下から、岩を伝って下りるようなかなりドキドキのコースが連続する。岩伝いの後はぐらぐらするはしごを何度か伝い、切れ落ちた短い谷を斜めにかけられたはしごを伝って渡れば一旦終了。これは登りに使った方が怖くなかったかと後悔したが、そこからかなりの時間だらだら続く坂を延々と下り続ける必要があり、その点では下り向きのコースと言える。



標高が下がるにつれてツツジがあちこちに見られ、目を楽しませてくれた。沢と出会うところまで下りて来れば、終盤である。この沢は川上渓谷と呼ばれているらしく、ナメ沢になっているところがあったりして景観的には素晴らしい。水もとても綺麗だった。幅はそれなりにある沢なのだが、対岸へ渡るところでは橋が崩れていて渡渉点が分かりづらかったり、巨岩の間を今にも崩れそうな木橋が渡してあったりと、注意を要する。朝通った吊り橋が見えて来れば、登山道は終りだ。見上げると、もう数十年前に閉山された鉱山の遺構が見えた。





ほしこがinnでは前夜泊まった客も風呂に入らせてくれるので、一風呂浴びてから阿蘇山の麓へ車を走らせた。この日の宿は阿蘇ユースホステル。かわいいおばあさんが一人で切り盛りしており、外国人客がいたり、バイクのツーリング途中の人がいたりといかにもユースホステルな雰囲気。我々は3人ということで4人部屋を1つ占有させていただくことができた。



夜は近くのスーパーで買出しした食料を調理し、ビールを飲みながらいただく。ガスコンロのガスは有料で、珍しいガス販売機というのがついていた。10円玉を入れてレバーを回すと、ジーッとぜんまいの回るような音がし、8分間だけガスが出る。「このユースホステルができた時からあるから、40年ぐらい前のものだね」とペアレントさん。ホルモン焼きを作るのにフライパンをお借りしたら、すぐには落ちないほど焦げ付いてしまった。「外に置いておけば、雨にさらされて太陽に照らされてをなんどか繰り返して焦げが自然と剥がれるようになるよ(標準語訳)」とのことで、外に放置することに。どうもすみませんでした…。

0コメント

  • 1000 / 1000