飯豊連峰縦走 3日目(8/9)
前日の切合小屋は、4時頃には薄明るくなり出発できそうな雰囲気になったので、この日も3時過ぎには起きて仕度をはじめた。しかし、天気がおもわしくなく時折雨がぱらつく。小屋やテントの人も誰も3時台には起きる気配がない。物音をたてないように食事の準備をしていたら、小屋のおじさんが起きだしてきて、雨のなか調理をしている自分たちに、多少うるさくしたっていいから中で調理しろと、叱るように告げてきた。「別に怒ってるわけじゃなくて、雨の中で調理なんてかわいそうで…」というおじさんには、素朴で優しい山男らしさを感じた。結局、5時近くまで待って明るくなりだしてから出発。出発の直前には、大日岳に大きくくっきりと虹がかかり、幸先がいいと興奮しながら歩き出した。
小屋を出た時はまだそれほど雨は強くなかったものの、徐々に強くなり、烏帽子岳を通過する頃には結構な強さになった。しかしその後少しずつ雨は弱まってきた。
梅皮花小屋(かいらぎごや)に着く頃にはほとんど雨はやみ、休憩するうちにすっかりあたりは明るくなった。眼下には石転び沢の大雪渓が広がっており、雪渓を上り下りする人を小屋番のおじさんが時々望遠鏡で確認している。
小屋の中では沢登りをしてきたと思わしき、ずぶ濡れの男性が3人。話を聞いてみたら、梅皮花大滝という石転び沢の横に流れる滝を登ってきたとのこと。雪が多くてなかなか進めず、雪渓の隙間にビバークしたら寒くて死にそうだった、と言って笑っていた。梅皮花小屋でコーヒータイムを楽しんでから出発する頃には、完全に青空が広がっており、登山道脇の花の色が美しく映える。
マツムシソウ。
スズラン?
キリンソウ
トラノオ
ハハコグサ
コゴメグサ
オヤマリンドウ(イイデリンドウはもう少し小さい?)のつぼみ
トリカブト
花だらけの稜線を歩いていると、だんだん楽しくなってきて、自然と歌を歌いたくなってくる。となりのトトロの「さんぽ」を大声で歌いながら、半ばスキップするように門内岳へ。門内小屋で昼食をとってから、頼母木小屋へ向かう。
門内岳までほどはお花畑にはなっていないが、蝶々が飛んでいたりして、やはりウキウキしながらあるく。既に6時間以上も行動しているはずなのに、天気と景色のよさに浮かれて全く疲れを感じていなかった。途中、前日に御西小屋でも一緒だったおじさんと抜きつ抜かれつしたが、おじさんは地紙山から丸山尾根方面に抜けるということで、手を振って別れた。
頼母木小屋はそれまでの小屋と比べて若干こじんまりとしていたが、小屋の前には沢から引いてきたという水がじゃぶじゃぶと湧き出ており、飲み物や野菜が冷やしてあった。振り向けば杁差岳や新潟の町が望め、なかなかよいロケーション。寝床を作った後は銀マットを小屋の前に広げてピクニック気分を楽しみながら、飯豊連峰最後の夜を楽しむべく宴会を始めた(上の写真だとなんだか楽しくなさそうだが笑)。小屋の管理人さん(妙に山男っぽくない雰囲気)が、全部飲んでいいよと未開封のいいちこの紙パックをくれて、既にお酒が切れていた自分は大喜び(他の3人はそれほど酒を飲まない)。一人で酔っ払っていた。
夕方になって日が傾きかけると、ブロッケン現象が見られた。
一度日が傾き始めればあっという間で、杁差岳の横に太陽は沈んでいった。
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